「いざ介護が必要になったら、施設にお願いすれば安心」――そう考えている方は少なくありません。私もかつてそうでした。しかし実際には、現実はそう甘くありません。特にここ数年、介護施設の待機者数の増大と費用負担の上昇は深刻な問題となり、多くの家庭に重くのしかかっています。

高齢者本人の不安:「いつ入れるのか分からない」
私は80代の母を介護する立場にあります。母は一人暮らしが長く、今は要介護認定を受けています。ケアマネジャーに相談したところ、特別養護老人ホーム(特養)は「待機者が数百人単位」と言われました。つまり、すぐには入れないのです。
母自身も「施設に入ると安心だと思っていたのに、順番が回ってくるか分からないなんて…」と不安を口にします。自宅での生活には限界がありますが、施設に入るめどが立たない。これは本人にとっても家族にとっても大きなストレスです。
家族の視点:「在宅介護は心身も財布も限界」
特養に入れないとなると、次の選択肢は「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者住宅」などですが、こちらは費用が高額です。入居一時金が数百万円、月額費用も20万~30万円かかることが珍しくありません。
我が家の場合、父の年金と貯金だけでは到底まかないきれません。結局、家族で補填することになりますが、子世代も住宅ローンや教育費で余裕がありません。介護施設の費用が、家族全体の家計を圧迫する現実があります。
在宅介護を選べば一見安上がりに見えますが、実際には介護用品やリフォーム、食費の増加などで支出がかさみ、介護する家族は仕事を辞めざるを得ないこともあります。結果として、収入減+支出増の二重苦に陥るのです。

施設の「格差」問題
さらに深刻なのは、経済的余裕のある人とそうでない人で、選べる施設に大きな格差があることです。資産に余裕があれば、待機者が少ない高額施設に入居することも可能です。しかし、年金だけの高齢者や、貯金の少ない家庭は「特養の順番待ち」をするしかない。
「お金がある人は安心して老後を送れるが、そうでない人は不安の中で順番を待つしかない」――この格差は、今後さらに広がると予想されます。
老後資金の試算と現実のギャップ
政府の試算によれば、夫婦で安心した老後を送るには2000万円以上の金融資産が必要とされています。しかし実際には、多くの家庭でそんな余裕はありません。特に一人暮らし高齢者の場合、年金だけでは施設費用をまかなえず、入居できても途中で資金が尽きるリスクがあります。
私の知人のケースでは、母親を有料老人ホームに入居させましたが、月額25万円の費用で数年後には貯金が底をつき、結局退去せざるを得ませんでした。高齢になってから住まいを転々とするのは本人にとっても非常に負担です。
将来に向けての備え
このような状況から考えると、今後ますます「介護施設に入れるのか」「費用をどう工面するのか」という問題は、誰にとっても避けられないテーマになります。
高齢者本人としては、「元気なうちにできるだけ健康を維持する」「入居先の選択肢を早めに調べておく」ことが重要です。家族としては、「介護費用の目安を知り、老後資金を計画的に準備する」「いざという時の選択肢を複数持っておく」ことが欠かせません。
ただ現実は、思っている以上に厳しいものです。待機者問題が解決しない限り、誰もが「施設に入れないリスク」に直面します。 そして、費用の負担が増大すれば、家族も高齢者本人も生活の基盤が揺らぎます。
終わりに
「介護が必要になったら、きっと誰かが助けてくれる」――そんな甘い考えは通用しません。むしろ、準備をしていなければ、取り返しのつかない事態になる可能性があります。
私自身も、母の介護を通してその現実を痛感しました。介護施設の待機者問題、費用負担の増大は、決して他人事ではなく、明日の自分や家族に降りかかる現実です。
だからこそ今、冷静に現状を知り、不安を直視し、少しでも備えておく必要があります。将来の安心は、待っているだけでは手に入りません。
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